1月23日(木) 島根県安来市立飯梨小学校にて、株式会社LIXILとインターネットで繋がる遠隔授業「学校の安全を保つための製品企画を考えよう」を実施しました。 子どもたちの発表アイデアを中心に、授業の様子をレポートにまとめましたので、どうぞご覧ください。

子どもたちの発表アイデア

トラブル昇降口の床が滑りやすい

製品アイデアの説明
私たちの地域では、雨と雪が多く、床がすべって転び、低学年の子などは重傷になる危険もあると思い、今回のアイデアを考えました。階段のところにコーンとコーンバーを置いて手すりを作りました。張り紙を大きな柱に貼り、この先も危険だということも強調しました。この対策をすることで、階段を楽に上ることができ、相手に言わなくても見た目で「危険」を伝えることができます。また、倒れることによる別のけがを防止することができます。

発表用ワークシート
発表の様子

講師からのコメント

講師1

ありがとうございました。ハキハキとした発表と丁寧な絵でわかりやすかったです。

身近な物で代用した、良いアイデアだと思います。コーンに重りをつけて、バーが手すり代わりになることで、一石二鳥で危険を知らせることができて良いですね。

ただ、果たして人が寄りかかったときに手すりが耐えられるかどうか、突っ込んで考えて見ると面白いかもしれません。こうしたリスクまで考えると、より良いアイデアにつながるのではないかと思います。 また、張り紙で認知するということも、ものづくりをする上での「人に優しく寄り添えるか」という考え方に沿っていて、丁寧に潜在的な危険を知らせる意識ができていて良かったです。

講師2

まず、見た目で危険が伝わる工夫ができていたと思います。コーンは赤色でバーが黒と黄色、いかにも危険を知らせる色づかいで良いですね。また、「誰が」「どんな危険があるか」をしっかり持って考えたのも、正しい対策を考えるために大切なので、良かったです。

あと、このコーンの手すりの高さは、果たして低学年に使いやすいのか、実験をしてみたり、低学年のために「きけん」「あぶない」だけでなく「すべるからきけん」など表示したりすると、さらに低学年に優しくなるのではと思いました。

児童

最初は人工芝を使おうとしたのですが、すべりやすいということを知りました。人工芝を使った対策を考えたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

講師1

世の中には、サッカー場や野球場に使われているように、すべらない素材を使った人工芝を使われてきています。どんな人工芝があるのか深掘りしていくと、よい対策の知恵が出てくるのではないかと思います。

児童

もしマットを敷くとしたら、どんなマットならすべりにくいですか?

講師1

マットがすべる原因は、床とマットのあいだに水が入り摩擦が起きることです。

水が入らないもの、水があってもすべらないゴムや、表面の加工ですべりにくくしているものなど、素材による工夫がいろいろあるので、探してみてください。 いろいろな種類のものを調べてみることで、良いアイデアにつながると思います。

子どもたちからの質問

児童

どんなときにアイデアが思いつきますか?

講師1

まずは、世の中にすでにあるものを調べて、知識を得ています。

例えば会社の中の制度を作るとして、他の会社ではどんな制度があるのかを調べて、自分の会社にマッチしているものはどんなものか、こんなアレンジをしたらどうかを考えています。 ただ、他のことを考える時にぽーんと出てくる時もあります。

児童

どうやって危険なところを見つけていますか?

講師2

実際に現場を見たときに、自分たちだけではなく、例えば高齢の方は?目や耳が見えない人は?など、そんな人たちの立場にもなって考えます。そうすることで、目に見えない場合は色を変えても見えないから音にした方がいいなど考えることができます。

自分の健康だけを基準にするのではなく、対象を広げることで、その人たちの危険も見つけることができます。

質問タイムの様子

授業最後の講師のコメント

講師1

みなさんとてもわかりやすい発表で、相手の立場になって考える優しい気持ちや思いやりが理解できました。 世の中には安心安全に工夫されたものがたくさんあります。この物にはどんな工夫がされているのか、そんな目線も持ちながら学校生活を楽しんでもらえたらと思います。

講師2

今回のアイデアでは、コーンやばんそうこうなど、今あるもの・できることを使っていましたが、そこが飯梨小らしいなと思いました。応急処置と恒久処置、どちらも考えられていたと思います。 人は育った環境や体験によって、違う意見が出てきますが、いろいろな意見が集まることで、最終的に一番良いアイデアができると思います。ぜひ今回の経験を大切にしてください。

講師3

今回の授業では、二つのねらいがありました。

一つは、将来製品を作る人にむけて、少しでも仕事のイメージをつかんでほしかったこと。もう一つは、学校の中の危険・家の中・外・自然災害・社会やネットのリスクに対して予知する力対策を鍛えてほしいということでした。今日のことを、是非覚えててもらえたらと思います。 また、今回アイデアを考えて発表まできた自分の力に自信を持って、新しい環境・仲間の中でも頑張ってほしいと思います。仲良く元気で、楽しい学校生活を送ってください。


株式会社LIXILの授業 「学校の安全を保つための製品企画を考えよう」の詳細はこちらをご覧ください。
https://progaku.com/lixil/

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