6月25日(金) 徳島県三好市立東祖谷小学校の皆さんに、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のロボットトイ「toio™(トイオ)」を使って「新しいあそびをつくる」ミッションに挑戦していただきました。

子どもたちが考えた「新しいあそび」のアイデアと、そのアイデアをtoio™の開発者である講師に発表する様子をレポートにまとめましたので、どうぞご覧ください。

子どもたちの発表アイデア1

あそびのタイトル:ゴミ0クリーン

あそびのルール説明 
ゴミをたくさん拾ったことがきっかけで考えました。
ゴミ(おはじき)を制限時間中にどれだけ拾い、自分のゴールへ持っていくことができるかを競うゲームです。おはじき1枚=1点で、得点を多くとった方が勝ちになります。

アイデアがまとめられた発表用ワークシート
発表中の様子

講師との対話

講師

おはじきを使ったサッカーみたいで楽しいゲームでした。一気にたくさん運ぼうとすると動かなくなるので、一個ずつ運ぶかよくばって一度にたくさん運ぶか、戦略が必要なところが面白いと思いました。

ちなみに、ゴミの話がありましたけど、アイデアのスタートのきっかけはなんでしたか?

児童

作ろうと思ったきっかけは、学校の周りをきれいにする「ゴミ0クリーン」という行事からです。

講師

ゴミ0クリーンが楽しかったからですか?

児童

そうです。

講師

なるほど。そうしたきっかけから、みんなが楽しめるものを考えることは大切だと思います。ちなみに、ルールを考えたと思いますが、何回くらい変えていきましたか?

児童

2回変えました。

講師

その時にどういう工夫をしましたか?

児童

一度みんなでやってみて、面白くなるようなルールにかえてみました。

講師

いいですね。自分たちでアイデアに行きづまったときに実際に遊んでみることや、ほかの人に遊んでもらって、別の視点からアドバイスをもらうことは大切なので、ぜひこれからもこうしたアイデアの出し方を続けていってください。ありがとうございました。

子どもたちの発表アイデア2

あそびのタイトル:タイフーンタイムアタック

あそびのルール説明 
toio™ 2個をわりばしでくっつけて、二人で協力して操作しながらフロアにあるチェックポイント(おはじき)を回ってスタート位置に戻ってくるまでのタイムを競います。

アイデアがまとめられた発表用ワークシート
発表の様子

講師との対話

講師

手に汗握る、ハラハラするゲームで面白かったです。バトルも楽しいけど、協力するゲームもいいですよね。そのいいところがつまっていると思いました。二人で力を合わせなくてはいけなくて、なかなか思い通りにいかないところも含めて楽しかったです。

ところで、「タイフーン」の最初のヒントはどこにありましたか?

児童

運動会の競技の「台風の目」が楽しかったので、そこから考えました。

講師

その「台風の目」をあそびにするまでに、どんな話し合いをしましたか?

児童

あそびとかスポーツとかいろいろアイデア出して、その中で「台風の目」が出てきました。

講師

なるほど。このあそびは誰でもできそうだなと思いましたが、特にあそんでほしい人はいますか?

児童

小学校低学年の子どもたちです。

講師

いいですね。低学年でも楽しめそうです。ちなみに、最後にはどんな話し合いで「台風の目」にまとまりましたか?

児童

いろいろ試してみて、その中で決まりました。

講師

なるほど。アイデアをいっぱい出しても、楽しいかどうかは実際にやってみないとわからないものです。私たちも仕事の中でアイデアを出すだけではなく、プロトタイプを作って試してみて、本当に面白いか確かめています。皆さんは本当に仕事に近いことをやっているなと思いました。ありがとうございます。

子どもたちからの質問

子どもたちの質問① 
toio™の名前の由来は何ですか?

講師のコメント① 
「おもちゃ」を英語にした「トイ(toy)」と「IO(アイ・オー、インプット・アウトプット)」の言葉を合わせています。よくよく見たら「toio」という文字列は人の顔と手にも見えるので、五感で体験してほしいという気持ちもあります。

子どもたちの質問② 
toio™は何をモチーフにしていますか?

講師のコメント② 
レゴ®ブロックです。これを自分が動かしたいと思ったところからtoio™を作りました。
小さすぎず大きすぎず、そしてみなさんが自分で作って上に乗せる作品を大切にするために、ロボット自体があまり目立たないようにすることを重視して、今のサイズになりました。

子どもたちの質問③ 
toio™を作ってよかったことは何ですか?

講師のコメント③
たくさんありますが、皆さんに笑顔で楽しんでもらうことがとても嬉しいです。
将来みんながtoio™であそんだことを通して「こういうものを作る仕事をしてみたい」や「プログラミングを好きになった」と思ってもらえるとありがたいと思っています。

質問タイムの様子

toio™開発者からのメッセージ

 みなさん、本日は素晴らしいあそびを発表していただきありがとうございました。
 今回皆さんがつくった「あそび」というものは、「体験」と呼ばれるものになります。現在ソニーも音楽やゲーム・映画など、さまざまな「体験」を作っていますが、これからの時代は楽しめる・感動できる「体験を作る」ことが仕事として大切です。
 みなさんにもこうした「体験を作る」ことを実践してもらえてよかったと思います。ぜひ、今回のことを忘れないでほしいと思います。
 また、今回のtoio™は人が操作するものでしたが、あそびの中には、コンピューター相手に戦うこともあります。
 コンピューターと人間が対戦するためには、さっきまで人間がやっていた動きをコンピューターに置き換えるとどのように判断しなければならないのか、人間の手の動きやボールの動きをどうやってコンピューターが知るのかといったことを考えることになります。これが「プログラミング」につなり、さらに「AI」を使いこなすためにも大切になってきます。ぜひ、身の回りで動いているコンピューターやロボットなどの機械の仕組みなどを参考に考えてみてください。そして、それは誰かが考えて作ったものなんだ、ということを忘れないでください。
 素晴らしいあそびを考えていただき、ありがとうございました。



SIEの授業の詳細は、こちらのページにてご紹介しています。
https://progaku.com/sie/

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