はじめに
当法人とソニーグループによる子どもの教育格差縮小に向けた遠隔出張授業について成果報告書を作成しましたので概要を掲載いたします。
実施した学校
北海道から沖縄まで全国の14校において381名の児童を対象に遠隔出張授業を実施しました。
効果検証の方法
ソニーグループ4社の遠隔授業の実践について下記の5項目を評価指標として設定し、5件法のアンケート調査によってその評価を行いました。
NO | 項目 | 質問文 |
---|---|---|
① | 創造的思考力 | できるかわからないことでも,やってみようと思いますか? |
⓶ | 対人関係構築力 (他者に伝える) | 自分の考えを先生や友達につたえることができますか? |
③ | 対人関係構築力 (他者のアイデアに興味) | 友達など周りの人のアイデアや考えていることに興味がありますか? |
④ | 好奇心 | 自分の知らないことや,新しいことに出会うのはワクワクしますか? |
⑤ | キャリア構築能力 | いろいろな仕事や働き方について興味がありますか? |
⑥ | テーマへの興味 | (テーマ)について知りたい/やりたいと思いますか? |
結果
事前と事後に実施したアンケート(5件法)で比較すると創造的思考力、対人関係構築力(他者に伝える・他者のアイデアに興味)、好奇心、キャリア構築能力、テーマへの興味の項目において正の効果が確認できました。
生徒アンケート
生徒に行ったアンケートでは「授業を通して自分なりにアイデアを考えることができましたか?」の設問に対して90%以上の生徒が好意的な回答を行っており、プログラムの楽しさについても95%以上の生徒が好意的な回答を行なっています。
教師アンケート
教員に行ったアンケートでは、多様な生き方に触れる機会となった、多様性を育成する機会になった、コミュニケーション能力を育成する機会、社会性を育成する機会の項目においてすべて好意的な回答となっており、教育的意義についても一定の効果があったと考えることができます。
生徒・教員の自由記述から
生徒・教員の皆様には量的なアンケートだけでなく自由記述欄に授業の感想を記述してもらいました。ここでは一部抜粋して掲載いたします。「これからの仕事」や「失敗に対する考え方」といったキャリア教育においても重要な観点の記述を確認することができます。
児童・生徒
○印象に残ったことは最初プログラミングをやった時、いろいろブロックが反応して大変だったことです。楽しかったことは、いろいろやってみると、いろいろな事が出来るんだと、いろいろな考えが出てきた事です。プログラミングをやってみると、いろいろな発見があって楽しかったです。
○私はMESHの授業をしてみて、プログラミングを作るのはとても難しかったけど、完成したあとのたっせいかんなど、やって良かったなと思えたし、MESHをつかえばいろいろなことができて、とてもおもしろかったし、楽しかったです。授業でたくさんのことを知れたし、たくさんのことが学べたのでよかったです。
○”MESH”をやってみて、プログラミングで生活に役立つことがたくさんできるんだなと思いました。これからの生活に役立つような物を作っていけるようにしていきたいなと思いました。楽しかったです。
○はじめてMESHというものを知って使ってみて、はじめは難しかったけど、と中から楽しくなりました。そしてSONYのことも知ることができてうれしかったです。
教員
・操作がわかりやすく、遊びを組み合わせるイメージがつきやすい。普段扱うものではないということだけで、かなり活動に意欲的になっていた。
・toio™️を使ってゲームをしたり、ゲームを考えたりすることは、子ども達が興味をもって意欲的に取り組むことができました。
・toio™️を箱から出した瞬間、みんなの顔が「何ソレ!?」と明るく食いつきました。足す発想と引く発想。題材も「遊び」だったので、子どもたちにとって取っつきやすかったみたいです。プログラミングの導入として非常に有用でした。
・操作の仕方がすぐにわかるので、全員が遊びつつ、遊びづくりを考えることができました。段差に弱いため、どれくらいなら乗り越えられるのか、坂を登らせたいなどの意見を実現するのに苦労していました。楽しめるものにしたいという気持ちで、いろいろと意見を出す様子が見られました。