6月8日(木) 静岡県 清水小島小学校にて,富士通株式会社とインターネットで繋がる遠隔授業「テクノロジーを使って地域課題の解決に挑戦しよう」1時間目の授業を実施しました。学校で1時間目の授業を行う際の参考にお使いください。
1時間目の流れ
「テクノロジーとは」から授業を開始して「身近なテクノロジーにはどんなものがあるだろう」という簡単なグループワークを行います。子供たちからは、スマホ、パソコン、洗濯機、AIなど様々なテクノロジーの具体例が出てきます。次に「最新のテクノロジーについて」のクイズを行いつつ、富士通の開発した感情認識の「Unibo」や「エキマトペ」(聴覚障がい者も音を見られるように駅のアナウンスや電話の音をAIで分析してすぐに文字や手話をディスプレイに表示する技術)などの最新のテクノロジーを学習します。
次に、テックカード(見える化・自動化・つながる化)を使ってミッションである「テクノロジーを使って地域課題の解決に挑戦してみよう」に取り組むことを提示します。ミッションにむけた準備として富士通が地域の課題解決を行った事例を2つ提示します。さらにこれらの事例についてテックカードを使って児童に考えさせます。事例1は北海道における「ウニ養殖の困りごと」、事例2は「漁業での困りごと」となっています。実際に子どもたちからどんなことを考えたかをご紹介します。
児童の考えたウニ養殖の解決案
- 水温を見える化することで管理できると思います。
- サーモグラフとかを使って水温チェックを自動化して育ちやすくします。
- ロボットに調節させればいいと思います。
- 水温を見える化のテックカードで、さらに調整には自動化のテックカードで両方使えばいいと思います。
児童の考えた漁業での困りごと解決案
- 繋がる化で欲しい人を探せばいいと思います。
- 繋がる化で欲しい人に繋げて、見える化で実際に魚をみれるようにして、自動化で自動で送ればいいと思います。
- ネットで取引をすればいいと思います。動物園や水族館にも見える化が使えるんじゃないかと思います。
これらを学習したあとに、先生からメインテーマである「テクノロジーを使って地域課題の解決に挑戦してみよう」を再度紹介します。そして、1時間目の最後には、ワークシートに記載の8つのテーマ(地域の産業・地域の防災・地域の交通・地域の教育・地域の環境・地域の交流・地域の健康・地域の観光)から自分が最も気になるテーマを選び、4時間目には企業の人に発表することを伝えて授業は終了です。
2時間目の流れ
まずは1時間目の授業を振り返り、ウニ養殖や漁業での課題をテクノロジーで解決したことを確認します。そして、課題があるからこそテクノロジーを使って解決できる、ということを知り、自分の住んでいる地域の課題を探す活動に移ります。子どもたちは自分が実際に体験したことから地域の課題を探し、ワークシートに書き出します。書き出したものをグループで共有し、次の授業の流れを説明して授業は終了です。
3時間目の流れ
まずは2時間目に探した地域の課題を振り返ります。次に、個人で解決に向けて取り組みたい課題を1つ決め、1時間目に学習したテックカード(見える化・自動化・つながる化)を使って解決する方法を探します。子どもたちはワークシートに従って、「どんな人の困りごとなのか」「どのテックカードをどこに使うのか」などについて考え、記入していきます。次に、それぞれで考えたことをグループで共有し、どのアイデアを企業の講師にプレゼンするのかを決めて授業は終了です。
特に,「どんな人の困りごと」を細かく考えると,良いアイデア生成につながります。
例えば,「断水で困っている」だけでなく「断水で洗濯物が使えなくなり,家族のみんなが困っている」のようにできる限り詳細に考えるといいと思います。